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 医薬品情報室より「ちょっとひとやすみ」

2003年10月号

金属アレルギーになちゃった!?

 

どうしてかぶれるの?金属アレルギー

 
ピアスやネックレスでかぶれたことありませんか?

アクセサリーや日常に使っている金属をつけていて、かゆくなった経験はないだろうか。とくに、冬場は気にならなかったのに、汗をかく夏になったらなんだかかゆくなってきた、なんてこともあるのではないだろうか。だったらそれは、金属アレルギーかもしれない。
人の体内には、カルシウムやカリウム、ナトリウム、鉄、マグネシウム、亜鉛など多数の金属元素が含まれている。これらは欠乏すると体にさまざまな悪影響を与えるため、人体には必須の金属でありながら、皮膚と接触することで拒絶反応を起こし、かぶれなどの症状をもたらすことがある。これが、金属アレルギー(アレルギー性接触皮膚炎)だ。

金属アレルギーは、繰り返し同じ金属を使用しているうちに溶け出した金属イオンが体内に入りこみ、免疫のはたらきで異物だと記憶され、次に同じ金属に触れたときにアレルギー反応を起こしてしまう。また一度なると一生続くため、なかなか厄介なもの。
とくにトラブルが多いアクセサリーはピアス。ピアスは皮膚に直接穴をあけるため、より接触部分と反応を起こしやすい。

 

どんな金属でアレルギーを起こすの?

昭和62年に東京都済生会中央病院皮膚科で金属パッチテストを274人の患者さんに行った結果では、アレルギーの頻度のいちばん高かった金属として、水銀。次にニッケル、コバルト、スズ、パラジウムの順。
アクセサリーによく使われる金属として、最も多いのはニッケルだ。

<<金属アレルギーの原因物質(274件中)>>

東京都済生会中央病院における、
金属パッチテスト結果(昭和62年度)より

<<アクセサリーなどに使われる金属>>

●ニッケル:Ni
ニッケルは、加工しやすくてさびにくく、しかも安いこともあって金メッキの下に使われることが多い。イヤリングやネックレス、指輪、ブレスレット、メガネのフレームなどさまざまな金色装飾品に使われている。

しかし、汗の中の塩素イオンはニッケルを溶け出させる作用が強いため、汗によってニッケルイオンが溶け出し、皮膚炎を起こす原因になるのだ。また、ニッケル加工されたアクセサリーは表面に変色や腐食などの変化がないため、アクセサリーが原因で皮膚炎を起こしたことに気がつかないことも多い。

 

●クロム:Cr
クロムには3価(Cr3+)と6価(Cr6+)があり、アレルギー性クロム皮膚炎を起こすのは、6価クロム。しかし、クロムメッキやクロム合金が汗に溶け出すのは3価クロムのため、皮膚炎は通常認められない。ただし革製品では、なめしの過程で6価クロムを使用することがあり、時計のバンドや皮手袋など、汗をかく部分と接触して湿疹を起こすことがある。

 

●金:Au
金は溶けにくい性質があるので、アレルギーを起こすことはほとんどないと言われている。しかし、そうは言ってもまったく溶けないと言うわけではなく、最近は金を用いたピアスで皮膚炎を起こすケースもある。ピアスは直接皮膚の真皮と接触するため、金が溶け出しやすくなり、耳たぶがかぶれたりするのだ。

ちなみに、「ホワイトゴールド」という金属がアクセサリーに使われることがあるが、これは金、ニッケル、銅、亜鉛などの成分による合金で、その表面にパラジウムやロジウムなどのメッキが施されている。

 

歯科金属でもアレルギーは起こるの?

虫歯になったときなど、歯の治療にも金属は使用される。とくに、口の中は唾液によって金属が溶けてイオン化することがあり、アレルギー反応を起こすことがある。症状としては、歯肉炎や口唇炎、また舌炎などの炎症や味覚異常、歯や歯肉の変色、さらに全身の湿疹などの症状がでることもあるようだ。ただし、アクセサリーなどによる接触皮膚炎に比べれば、その頻度は少ない。
歯科用合金としてよく使われアレルギーを起こしやすい金属には、アマルガム合金や銀合金などがあるが、アマルガム合金は最近はあまり使われていない。
一方、インプラント(人工歯根)の材料に使われるチタンはアレルギーを起こしにくいと言われている。
もし、もともとアレルギー体質で、アクセサリーなどで金属アレルギーを起こした経験があるのなら、事前にパッチテストを行い、使える金属、使えない金属を歯科の先生と相談することが得策。
また、金属ではなくセラミックなどを使用する治療もあるが、ほとんどの場合保険が適用されないため、治療費がかかる。

万が一、歯科金属によってアレルギーが起こったら、その原因となった金属を取り除き、別のものに取りかえることがいちばん望ましい。

 

金属アレルギーを治療&予防しよう

かぶれてしまったら?

不幸にも金属アレルギーを起こしてしまった場合には、まずはその金属の使用を中止すること。ただし、革なめしの過程で使用される6価クロムによる皮膚炎などは、見た目には金属が含まれていないため、すぐには金属アレルギーだと気がつかないこともある。金属でなくても、接触している部分が皮膚炎を起こしたときには、すぐに使用をやめて皮膚科を受診しよう。

皮膚科では、副腎皮質ホルモン外用剤(ステロイド外用剤)を処方されることが多く、薬を塗れば1〜2週間で症状は治まる。しかし、一度金属アレルギーになるとほぼ一生治らないため、その後はずっと金属と接触するのを避けるか、使用条件を考えなければならない。

 

金属アレルギーを予防する

実際に、自分が金属アレルギーだと気がつくのは、アクセサリーを使用していてなんらかの症状が出始めてからのことが多い。しかし、金属と接触している部分がかぶれたり、かゆみがあるなどの症状が出たら、初期段階で皮膚科を受診すれば、ひどくなることを避けられる。自分が金属アレルギーかどうか疑わしい場合には、まず病院へ行こう。

●皮膚科でパッチテストを行う

パッチテストとは、ニッケル、コバルト、クロム、銀、金などの金属の検査薬をつけたシールを背中や腕に貼り、しばらく時間がたった後の反応を検査するもの。アレルギー反応がない場合には何も変化しないが、アレルギー反応を起こす金属の部分だけ赤くなり、陽性反応を示す。陽性反応が出たら、その金属は使わないほうがよい。

●汗をかくときには、外しておく  

金属による接触皮膚炎は、汗と接触した部分の金属がイオン化して起こりやすいため、運動をする前は外したり、夏場の使用は避けるなど、使用上の工夫をしよう。

●購入するアクセサリーに気配りを

商品によっては、「ニッケルフリー」「ノンニッケル」などの表示があったり、使用している金属が明記されているものがある。アクセサリーを購入する場合には、どんな金属が使用されているのか確認しよう。また、ファーストピアスには、金属アレルギーを起こしにくい純チタンが表面コートされている商品や金属ではないセラミック製や樹脂製などの商品が開発されているので、あけた穴が上皮化するまではこういった素材のアクセサリーを使おう。

アクセサリーは直接肌につけるものなので、常に清潔にしておくこと。とくに、ファーストピアスは、傷口に直接ピアスが触れるので、手入れや消毒を怠らないように。

 

Yahoo!ヘルスケアより抜粋しました

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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